畳にでるダニの種類で原因探しと解決策

ダニの種類

畳に出現するダニは建物内から出現する種類とのダニと外から入ってきて(ペットや人が運んでくる)畳にのっかって入ってしまう種類のダニがいます。

ダニの種類により何が原因になっているかが、ちがくなります。まずはダニの住んでいる場所から見ていき、原因を解説していきます

どんな所にダニは潜んでいるのか?

建築物の中のダニの生息場所の種類

建物のダニの住む場所の種類

・寝具・衣類
・ぬいぐるみ
・布
・食品に生息
・その他の純混毛製品

建物の外から中に入ってくるダニの生息場所の種類

外から中に入ってくるダニの生息場所の種類

・人に寄生し生息
・ペット寄生し生息
・野鳥に寄生し生息
・ねずみなどに寄生し生息
・昆虫を捕食・寄生し生息
・観葉植物に寄生し生息
・土に寄生するに生息
・井戸、貯水槽、受水槽に生息

具体的なダニの種類

建物内に生息する種類のダニの名前(畳やジュウタンに発生するダニの種類)

ヒョウヒダニ

ヒョウヒダニ

体長は、0.2~0.5mmで,ほこりのような色をして、肉眼的に確認することは、まず無理でしょう(ほこりを集めて、顕微鏡で確認すれば可)どこの家庭でも比較的数が多いダニで、室内のほこりの中に含まれる人のフケ等を食べています。寝具やカ-ペットなど、ほこりがたまりやすい場所で発生します。

ダニの死骸、抜け殻、フンなどがアレルギ-(アレルゲン)のものとなり、アレルゲンを吸入すると、個人差はありますが、喘息(気管支)、アトピー性皮膚炎(皮膚)、鼻炎(鼻)、結膜炎(眼)原因のひとつになったりします。ダニは冬場でもいますので、アレルギ-は、一年を通じて起こります。

高温・多湿下で発生するため、雨期での発生数が多くなりがちで、他のダニ類に比べてきわめて多く見られます。

ツメダニ

ミナミツメダニ

大きさが0.2~1.0mmで半透明の淡黄色、形態的な特徴として触肢が大きく、針状の鋏角をもち、 これを昆虫やダニなどの皮膚内に刺しこみ、体液をすいます。
チリダニ、コナダニ、チャタテムシなどをエサとして食べて、人を刺して害を与えるダニで一番多いのがミナミツメダニです。

刺された瞬間は分かりませんが、1~2日たつと皮疹ができて、刺されるとかゆさが1~2週間ほど続き、皮膚が赤く腫上がります。(全体の約5%)

被害時期と発生の時期は一致し、 特に8~10月に多く。築後2~3年目の集合住宅に多く、これは、含水量の多い畳にコナダニやコナチャタテなどが発生し、そこで捕食するのツメダニが繁殖するからです。

ケナガコナダニ

ケナガコナダニ

成虫は,0.3mm~0.5mmで乳白色不透明の白い粉のような虫です。
ケナガコナダニは人を刺したりしませんが、大発生した場合にはツメダニが食べにくるため、多くなり、 ツメダニにより刺されることがあります。
又、畳、床、貯蔵食品、食品戸棚、冷蔵庫の裏など,家屋内のゴミ、ホコリなどの中で,ごく普通にみられ、 米、麦などの穀物、豆類、チーズ、チョコレート、干魚、みそなどあらゆる貯蔵食品に、発生します。稲わらのカビなどを好み、また高温、多湿(70%くらい)を好むので、食べこぼしが落ちた畳に大発生することがあり、 温度、湿度、水分、食物の条件が良くなると大発生します。

ケナガコナダニが大量発生する家では、たいがいカビも出ていると考えてください。 

建物の外から中に入ってくる種類のダニの名前

・イエダニ:ねずみが集まる商業ビル・商店街・病院内での被害。
・トリサシダニ・ワクモ・スズメサシダニ:野鳥の多い公園、学校などの周辺の1戸建・ビル・工場内での被害
・ニセナミハダニ他:観葉植物・庭木を育てている1戸建・ビル・工場内での被害。
・ネコシヨウセン・コウヒゼンダニ他:ペットを飼っている1戸建。居住用ビル内での被害。
・シラミダニ類:1戸建・居住用ビル内での被害(板・柱・畳などに発生した昆虫に起因する)
・ヒゼンダニ(ヒト):疥癬症:1戸建・居住用ビル・寮
・ツツガムシ類:ツツガムシ病刺咬症
・タカラダニ類:不快感(刺咬症)
マダニ類ヒメダニ類他:多種の病気の媒介刺咬症(家屋外での被害)血を吸うと赤くなる

ダニの発生原因

掃除をマメにしない

掃除をあまりやらないでいると、ダニの食料であるお菓子とかの食べカスなどが、部屋に落ちている状態になるため、ダニの発生の原因になります。

畳の上にジュータン・カーペットの重ね敷きをしている

畳の上にジュータン・カーペットを重ねてしまうと、畳の表面のいぐさが呼吸ができなくなってしまい、ダニの繁殖しやすい湿度にしてしまって、発生させてしまう危険があります。

窓を蜜閉し室内に風を入れない

最近の共働きしている家庭の場合、窓の密閉している時間が長く、風が入らない環境が多く続きます。風が室内に入らないと、湿気を壁・畳などと色々な所でカビの原因になり、それを食べにダニが発生する原因になることがあります。

水分を多く含んだ雑巾で拭き掃除をしている

こちらも大量の水が畳に付着するとカビの原因になり、それを食べにダニがきます。
水ぶきで拭くことは畳によくありません。絶対にやめてください。

加湿器の過剰使用をする

加湿器を過剰に利用している方に注意が必要です。こちらも湿気が原因でカビからダニの繁殖する手助けになっています。畳には調湿作用があるので、加湿器つけっぱなしにしなくても、生活のしやすい湿度に調整してくれます。

ペットのお散歩後に室内にいる

こちらは建物の外から運ばれてきたダニの種類になりますが、ペットを室内で飼うことで、ひっついて連れてきてしまって、ダニがでたという原因になったりもします。

室内に植木、盆栽などを置く

こちらも植物に寄生しているダニがいるので、畳にダニが出てしまった時は、一旦外において、発生元を特定することをおすすめします。

洗濯物を室内で干している

洗濯物を室内で干している場合は、過度の湿気を室内に充満させているため、カビとダニの発生を増殖させる原因になります。たまにはいいと思いますが、極力避けてください。

壁ぎわに家具類を敷き詰める

家具類を敷き詰めてしまい風が入らなくなってしまうケースもあります。わりかしどうしようもないケースなのですが、もし部屋が広くて、家具を壁から離せる場合は、10cm程度あけてあげるといいでしょう。

解決方法の種類

・殺虫剤で駆除
有機リン系、ピレスロイド系、カーバメント系の3種類あります。ほとんどが人体に毒性のすくないピレスロイド系が使われています。だからこそ、人体毒性が少ない分、効果も低くなります。
ダニ(ツメダニ)に刺されて困ってよる寝る前に殺虫剤を散布すると、その夜は、あまり刺されないといいます。ピレスロイド系のエアーゾール効果は24時間程度ですので次の日にはまた刺されてしまう

・畳の熱加工や畳防虫シートで対処(オススメ)
防虫シートには同じピレスロイド系を使用していますが、ガス化が殺虫剤より少なくしかもダニの遮断効果も期待できるからです。

・毎日畳掃除でダニを減らす。
毎日2~3回ずつ掃除し、3週間後どのくらいダニが減ったかをモデルケースとして調べたことがあるそうです。畳、ジュータン、板床と1㎡ずつ3分掃除機で毎日かかさず吸い取り、窓を開けて換気していた結果 畳・ジュータンはダニ数が半分になり、板床では4割の減少だったそうです。

・掃除機で畳についたダニを吸い取って倒す
掃除機にもよりますが、パワーノズル(回転式)のついた掃除機の場合、チリダニ科は通常の吸引で70~80%、強の吸引で80~90%死にます。吸引が強いほど死ぬ確率が高いです。

・床下に換気扇をつける
建築法では自然換気できるように定めてあります。しかし今現在の住宅事情は家と家との間隔が狭く風を通さなくなっています。換気扇を付ける事により、建物の床下は湿度10から20%下がりますし、床下の腐食も防ぎます。また、 床下の湿度が下がることにより畳にダニが発生しにくくなります。

畳は加熱処理。防虫シート加工してもらう

Q:ダニ退避剤について教えて下さい。
A:現在市販されている物の多くは退避効果を考えた防ダニ製品と通過防止用の製品です。また、退避剤名を明かす会社も少なく○○系薬剤とされていますので解っているものだけです。

●ジエチルトルアミド吸血昆虫用退避剤。
1g/㎡を繊維に加工することにより、コナヒョウヒダニに対し15%の退避効果。5g/㎡では40%程度の退避効果だそうです。

●IBTA殺虫剤の効力増強剤。
1g/㎡を繊維に加工することにより、コナヒョウヒダニに対し30%、5g/㎡では80%程度の退避効果だそうです。

●フタル酸ジエチル香料の保留剤。チリダニ・コナダニに退避活性があるそうです。

●ヒノキチオール食品添加物。シロアリに殺虫活性があり。
原液を付けた紙での退避効果は、コナヒョウヒダニは65%程度だそうで

●安息香酸ベンジル食品保存料。殺菌や防カビに用いられるチリダニ類に退避活性があるそうです。

●プレベントールA3防カビ剤。プラスチック材料・耐熱性塗料・接着剤・繊維処理剤等に使われ、綿に薬を塗りこんだものではヤケヒョウヒダニは90%程度の退避効果があったそうです。

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